塩賀 史子 展 「彼方の庭」

今回は私の高校時代の恩師の個展が2月24日から南青山のneutron ニュートロン 東京南青山ギャラリーにて行われるのでその告知を。
ということで作品の写真と文章をいただいてきました。

私は生活圏内で目にすることのできる、現実の風景に基づいて絵を描いています。しかし具体的な場所を再現することが目的ではなく、風景の中の光と影の交錯を描くことで、ありふれたものの中に隠されている普遍性と、一瞬に内包されている永遠の輝きを表現することを目指しています。
光と影の交錯は様々な対立概念を私に想起させます。
死と生、一瞬と永遠、絶望と歓喜・・・。
それらがすべて明滅しながら、ひとつの大きな調和の中で、苦しくも美しいこの世界を作り上げている、そんな世界観をも画面に込めようと試みています。
「彼方の庭」
近年「庭」をテーマに制作しています。
日常生活と隣合わせに存在し、季節の変化とともにうつろい、あるときふと彼方の世界を想起させるような景色 -夏の日に強い日差しを浴びる蓮の葉や、木もれ陽が揺れる森の中など- そのような景色を「庭」と総称しています。
私が見ている世界は、広い世界の中の、ほんの片隅でしかありません。
その小さな世界を追求することで、世界に繋がる普遍的な真理を表現できるのではないかと考えています。
「彼方の庭」を、奥深くまで描きたいと思っています。
それは私にとって、今限られた命を燃やしながらここで生きているということを確認する行為であり、去りゆく時間を愛しく思い、その断片を掴み取りたい衝動を結晶させることなのです。

2010年1月
塩賀 史子

期間は2010年2月24日〜3月14日まで。

場所などの詳細はneutronのサイトにて。

秋には妹とグループ展をするそうなのでそちらも楽しみです。

塩賀 史子 公式サイト