KZ ZARが好みな音だったのもあり、もっとKZらしい音とは?というところで探究しようと思っていたところ、5BA+1DD構成の KZ ZSX Proが発売されたことを知り、1111セール対象ではないものの、セールされていたので購入したのでレビューしてみました。(写真のケーブルはJSHiFi-Jupiter)
KZ ZSX Proは、筐体にスリットとメッシュを施したセミオープン対応のイヤホンで、より深みのある低音を奏でるためのリニア ダイナミック ドライバーと5基のバランスとアマチュアドライバー(31736および30019)という構成。
インピーダンスと感度は購入した時のパッケージと公式ECとの記載が異なるものの、パッケージ側は19Ω、103dbでkzmusicstoreでは24Ω、111db。計算すると同じになるのではと思われます。
音については、ボーカルは少し離れたところから聴こえ、高音と低音の分離感がよく、いわゆるドンシャリでダイナミックドライバーをしっかり鳴らすにはそれなりの出力があるDACがないとちょっと厳しい楽曲がありそうでした。
手持ちで似ていそうなイヤホンはTRN VX Pro+かな?という印象で、セミオープンタイプのため、しっかり聴こうと設定した音量だと電車で隣の人に聴こえる程度の音漏れがあります。
目次
USB-DACを使った時の印象
最初ドングルDACで聴いていたのですが、自分の想像や他のイヤホンとはかなりギャップがあり、どうしたものかと思っていたのですが、バッテリー内蔵のifi hip-dac3などで聴くとしっかり全音域音が出ていたので、出力の問題だということがわかりました。
出力がないと中低音域の音量が高音域と相対的に低くなってしまい、耳に刺さりやすくなる傾向があるようで、電源があるDACでないとKZ ZSX Proのよいところが楽しめない印象でした。FiiO Q3やifi hip-dac3などのようなDACがあれば問題なくしっかり鳴ってくれます。
ドングルDACのTRN TE Pro を使う際、フィルターがデフォルトの場合にホワイトノイズがでてしまうので「NON OS以外」に指定してノイズレスの状態にできました。
傾向として中音域が物足りないのでTRN TE ProよりもFiiO KA13のデスクトップモードなどを使ったほうが鳴らしやすい印象でした。
同じくKZのbluetoothモジュール、KZ AZ20との相性がよく、高音域に繊細さが感じられ、音場も奥行きを感じ広く感じるような音になりました。FiiO BTR13については少し出力が弱く、高音が刺さり気味になるものの問題ありませんでした。
リケーブルの印象
NICEHCK SnowWings
一部の楽曲で高音が刺さり気味になるが、標準ケーブルに比べ、刺さり具合は穏やかになる。リップなども少し穏やかになるものの、全体的に音の分離がよく、音場はボーカルが真ん中、そのほかも近い印象。
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JSHiFi-VENUS
音場が広くなり、高音の刺さりなどは穏やかになる印象。全体的に広い場所に行ったかのような音の残響、音像になるので楽曲の細かなところまで忠実に聴いたり、ビートやアタックの速いエレクトニカなどには不向きかもしれません。
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JSHiFi-Jupiter
音場は特に変化なく、低音、中高音域もしっかり出ている印象。
ベースなどのアタックなどのボリュームが出てリニア ダイナミック ドライバーの出力がしっかり楽しめました。
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JSHiFi Memory
ドンシャリ感がしっかりあり、重低音に音圧があり、しっかり響くのでEDMなどで迫力ある音楽が楽しめそうです。
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TRN VX Pro+との違い
手持ちで似た構成のものということで8BA+1DD構成のTRN VX Pro+ と音を聴き比べてみました。
KZ ZSX Proの方がよりドライでドンシャリな傾向があり、聴き比べるとTRN VX Pro+の中音域のボリュームが大きい印象でした。
TRN VX Pro+ はTRN VX Proと比べ、中低音域が比較的軽い印象だったのに対して、KZ ZSX Proは筐体の外側がアルミで少し重量感があることもあり、低音がしっかり出ている印象で、高音の刺さりはTRN VX Pro+の方が強かったです。
KZ ZARとの違い
7BA+1DD構成のKZ ZARとは音の性質が異なり、KZ ZARはより中低音域がウォームにボリュームが大きい傾向があり、リスニング的な音。逆にKZ ZSX Proは原音に忠実でギターやパーカッションの音の開放感や高音域に煌びやかさや繊細さがそのまま出るので刺さる時は刺さっていくような印象でした。
重低音についてはKZ ZSX ProはKZ ZARほど強力ではないものの、ディストーションが効いたベースの音であっても分離感があり、しっかり聴こえるので音楽だけでなく、ゲームでもつかえそうでした。
購入先に関して
KZのイヤホンは他と比較するとAmazonで入手しやすいものが多いのですが、最新のものとなるとAliExpressの公式ストアで購入するのが保証がついた状態で確実に購入する方法になると思います。
2024年11月現在は公式サイトにKZ ZSX Proは掲載されていないので、AKHiFiやLee Audio Storeなどで購入できるようで、私はKZ製品をLee Audio Storeか公式で買うことが多いです。
まとめ
いつも通りドングルDACで聴こうとするとちょっと残念な高音が強いイヤホンになってしまい、電源のあるDACを使うとしっかり低音まで音が出るイヤホンでした。
セミオープン型ということもあり、移動中の電車で気軽に使うというよりもどこかにとどまって出力のあるDACなどを使い、しっかり聴く、もしくはしっかり出力のあるKZ AZ20などと一緒に使うと非常にいい音が出るイヤホンです。