新幹線の駅新設と都市郊外の狭間にあるもの

栗東市(りっとうし)に建設予定だった、新幹線の駅。
私も滋賀県に22年間住んでいたので、今回の「敗訴」には注目していた。
利便性ははっきり言ってゼロに等しいぐらいないと思われる。
新設してものぞみ・ひかりの停車は見込めず、必ず京都・名古屋での乗り換えは必須。
何より、在来線で京都まで30分以内という立地の中で新幹線の駅を新設しようとする
意思に疑問を抱くことは正論かもしれない。
この問題に限ったことではなく、都市郊外という立地では同じような問題がよく起こる。
都会に住んでいるとわからないことかもしれないが・・・
この問題の背景には「景気」や「政治」的なことが絡んでくる。
駅を新設するとした際、まず建設・工事の発注を受けた建設業者が
その恩恵をうけることになる。
都市郊外という立地上、大型の建設や工事というものは期待できないため
高速道路やダム、今回の駅などの建設でもない限り、単価の低い家やマンションと
いったものを造り生計を立てていくほかない。
そこで政治的権力を使い、新設構想を立てようとする動きが出る。
住民投票を行ってから議会に出るのならまだしも、こういった場合、
テレビや新聞で住民がはじめて知るといった場合も多い。
からくりはその配下で作られていく。