10mmダイナミックドライバー+7BA、8ドライバー構成のKZ ZARのレビュー

KZ AS16 Pro X に続いてセールで5,555円となっていたのでKZ ZAR を購入しました。

7BA+1DDという構成で、左右合わせて16ドライバーのハイブリッドマルチドライバーイヤホンです。
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全体的な音はベースの歪みや立ち上がりなどの表現が明瞭に聴こえるのとともに、ベースライン、中高音域の繊細な音の分離感もよく、スピーカーでいう2.1ch構成のウーファーを少し繊細にしたような印象でした。

KZ AS16 PRO Xと比較しようとしても音の傾向が違うのでなんとも言えないですが、KZ AS16 PRO Xでドラムなどの打鍵の最初に聴こえる高音域の音などが抑えられ、ダイナミックドライバーらしい中低音の迫力が表現されるので、イヤホンというよりオーバーイヤーヘッドホンなどに少し似ている印象を持ちました。

目次

広い空間で繊細な音・・・ではまったくない、ダイナミックな音

端的にいうと平面磁性ドライバーのイヤホンなどでJSHiFi-VENUSなどを使うと聴こえる繊細な残響・反響音といったものはあまり期待できず、広い空間というよりも無音室にスピーカーを置いたような残響が少ない音でした。

昔よく使っていたオーテクのソリッドベースシリーズと比べると音域は広く、インナーイヤータイプでは本体内のサイズも大きいのでより迫力のある音楽を楽しめる印象があり、個人的には繊細さなどよりも迫力が欲しい時はこれが好きです。

手持ちのケーブル

今回はケーブル単体で特性を描くのが難しかったので、ケーブル同士を比較しつつ記載してみました。

Tripowin Altea

高音が刺さることはなく、ウッドベースなどの響く音がフラットに且つ太いまま伝わってくる。音の分離感は繊細と言えるほどではないもののしっかりわかる印象でした。
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NICEHCK SnowWings

Tripowin Alteaと比べると空間が広がり、パートごとの距離感を認識でき、音の強弱のメリハリがある印象でした。
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NICEHCK DeepFog

NICEHCK SnowWingsと比べると、ボーカルの距離が少し近くなるが全体の音場はさらに少し広がる。高音は自然な感じで低音は底から立ち上がるような低い音がしっかり出るようになった印象でした。
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JSHiFi-Nocturne

音場は広めでコーラスの左右の分離感がよく、音に包まれるような印象。ギターのストロークなどの分離感は少し鈍い印象ではあるものの、色々なジャンルで使いやすいケーブルでした。
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KZ-AZ20

いつもどおりゼンハイザーBTD600経由でiPhoneと接続で使用。
高音が刺さることはなく、ダイナミックドライバーの迫力ある中低音がしっかり伝わる。ハイレゾではない楽曲の場合に音場もKZ-AS16 Pro Xを使った時と比べると広いが、アタックや音の出だしのインパクトは少し丸い印象でした。逆にハイレゾ音源では繊細なところまで明瞭になっていたので1DD+7BAの醍醐味を味わえると思います。
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手持ちのイヤホンとの比較

今回は同じドライバー数のKZ AS16 PRO Xと近しいドライバー構成のTRN VX PRO+(plus)で比較してみました。先に行ってしまうとそれぞれ音の傾向は全く異なります。

KZ AS16 PRO Xとの比較

インピーダンスの違いでKZ AS16 PRO Xのほうが32ΩなのでKZ ZARの方が音量は大きくなるところとKZ AS16 PRO Xは8BA構成のところの違いで全く違う音になっていて、実際使うとなると、完全に両者を使い分けるのが良さそうでした。

KZ-AZ20で聴くときはKZ AS16 PRO XがKZ ZARよりも全体的にフラットになるので音の分離感などは明瞭になり、KZ ZARは中低音域がしっかり迫力ある音になるので楽曲や好みで使い分けると良さそうでした。(オーテクのソリッドベースシリーズで聴きたい感じの時はKZ ZARかなという温度感)
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TRN VX PRO+(plus)との比較

KZ ZARもこのTRN VX PRO+もダイナミックドライバーのサイズは10mmなのですが、KZ ZARのほうが本体のサイズが大きく重さも少しあるので低音域の量感はKZ ZARの方があり、TRN VX PRO+のほうはインピーダンスが32ΩとKZ ZARの16.5 Ωの倍近い差もあってか、高音域が少し刺さりやすいような印象を持ちました。

ノーマルのTRN VX PRO(22Ω)は、plusと比べると高音の刺さりはおさまりますが、KZ ZARと比べると明らかなドンシャリ傾向でした。
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まとめ

7BA+1DDという構成で他メーカーにも似た構成はあるものの、ここまでダイナミックドライバーの迫力を惜しみなく出した音は今まで聴いたことがなかったので新鮮な体験でした。

TRN VX Proシリーズと比べるとドンシャリ傾向は控えめでインピーダンスも低めなので、DACや再生ファイルを厳選しなくてもKZ ZARの音は楽しめると思います。

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