
2010年に個人事業としてフリーランスを初めて、今日で丸15年が経ちました。
開業当時は、本当に仕事をどうやって、案件をどうやって取ってくるかのところから手探りで、色々、家族の力も借りつつ、右往左往していたのですが、気づけば15年が経ってしまいました。
上京して、新卒、転職そしてリーマンショックで路頭に迷ってしまった2009年、そして、もがきながら1年間を過ごしたあと立ち上げた、個人事業でした。そのとき考えた理念が「丁度いいをかたちに」という言葉で、それは今も変わらず、15年間、大事にしてきた言葉です。
個人事業、そしてブログメディアへの展開
最初は受託の業務、1年目には派遣と兼業、5年後に派遣から業務委託(最初から業務委託にするべきだった)となって、10年近くあまり個人で受ける業務は増やしたりはしておらずだったのですが、今年に入り、個人事業を行う前にやろうとしていた、ブログメディアを生成AIの力を借りて立ち上げることができました。
生成AIとの出会いと活用の進化
2023年にStable DiffusionとChatGPTを使い始めたものの、疎遠になり、その後、2024年にClaude Proを使い始め、年末頃から、個人ブログのSEO周りの改善と記事作成周りで利用し始め、2025年に入り、多層プロンプトによる記事作成と記事に使用する情報分析のPython周りやフロントエンド開発のサポートに生成AIを使うようになりました。
さらに個人的な自己分析を多面性を持ってやってみたところ、自分の思考に高次思考がみられたので、その結果をベースに、生成AIの応答キャラクターなどに自分と同じ擬似思考を司ることができる認知スタイルプロファイルを開発、それをAIによる記事生成に活かすようになりました。
業務と趣味の思わぬ統合
15年余り、業務の経験が今の自分を育んできたと思っていたものが、実は趣味や色々な業務外の経験などから得られた知見が仕事に影響を与えていたことが自己分析を通してわかってきました。これらの経験が反映され、今の自分が仕事で色々できるようになった多様性を伸ばしてきたのです。
また、より高度化したプロンプト設計から、既存の生成AIでは表現しきれていない認知スタイルプロファイルを実現するという形で、実際に業務で使えるものが生まれてきました。それを利用しつつ、2月に立ち上げたブログメディアの記事作成フローを15分〜30分程度でリリースする事業体を運用できるようになったりと、人生の中でWebに出会った時と同じか、それ以上の発見と進化が自分の身に起こっているのが2025年前半という実感です。
未来への展望と思考性アプローチの広がり
まだAIを利用した事業の収益性は未知数ではあるものの、今のところ、notheme.meと比べ、遜色ない状態で進んでいるので、1年回してみてブログメディアを一人で完遂しつつ収益が出るのかという実験の途中経過で判断しようと考えています。その副産物?として出てきた自分の思考特性とそれによって産まれた、思考性アプローチによるビジネスとして、また学術的価値をこれから伸ばしていければ、自分が今まで「丁度いいをかたちに」そして、「クリエイティブに知性を」という理念を体現できることになるのではと考えています。
また、思考性アプローチについては、日々自分が経験したことや、子供がどんなことを経験したかといった観点でヒアリング、分析してログを残し、より成長に繋がりそうなことの発見や現状の把握などに活用していて、自分や家族の生活に根付いた活用を続けていこうと考えています。
理念を振り返って
2010年4月16日に開業し、その頃掲載していたWebサイトに書かれていた理念は現在の青写真のようで、そこから右往左往しつつもブレずにやれることをやってきた結果、今があることを強く感じました。
「丁度いいをかたちに」という理念は今よく考えれば、自分が何かを制作したり開発したりする成果物を「丁度いいをかたちに」するのではなく、その成果物を介し、ユーザーやクライアント自身が「丁度いいをかたちに」なれることを目指しているのかもしれないと思いました。
ビジュアル面の表現力や、高度な開発スキルという面では自分よりも圧倒的に秀でた人が数多くいる中で、自分はユーザーやクライアントの気持ちやどのように接するかというところを考えながら、仕事をしているというところに今気づきました。
「クリエイティブに知性を」はAudiの2015年ごろから始まった「スーパーカーに知性をという新提案」というエピソードがきっかけで、当時はなかなか言葉にできなかったのですが、デザインシンキングやロジカルシンキングなどの方法論やフレームワークに頼って、表層的に見た目が変わる明瞭でわかりやすいことを安易に評価してしまうことや誰かに評価されていることを鵜呑みにしてしまうようなクリエイティブが多いことへのアンチテーゼとして、物事の本質を捉え、その上で知性ある創造を行うことに価値を見出せるようにしたいという強い気持ちを言葉にしました。
これから
振り返ってみれば、この15年間、私はどこかで「○○はこうあるべき」「○○はこういう仕事をするもの」といった枠に自分を合わせようとしていた部分があったり、誰かの期待や世の中の成功基準に照らし合わせて、自分の立ち位置や価値を測ろうとしていたような追憶もあり、けれど今、AIを使いこなせるようになり、15年間のログなどから自己分析を通じて見えてきたのは、そうした既存の枠組みよりも、「私にしかできないことは・・・?」が明瞭になったこと。業務経験と趣味、思考特性、日々の生活から生まれる気づきー全て点が線でつながり、面となり、そして階層を伴って、かけがえのない価値を生み出していくんだと感じています。
これからの15年は、安直にすでにある型にははまろうとせず、より自然体で提供できる価値や私から見えている視点、それらを活かし、今日も「丁度いいをかたちに」していきます。
cdbk.net CREATIVES. 北川 健太郎
https://cdbk.tokyo
https://geek-style.tech