
昨年末頃からしっかりと生成AIを使い始め、最近ではChatGPT/Claude/Gemini、そしてコーディングにCursorを6月から活用しています。それぞれの特性を理解し、用途に応じた使い分けができるようになってきたので、2025年7月初旬時点での実際の活用方法をまとめました。
目次
ChatGPT:最初の相談相手として
2年前に一度契約したものの、すぐに使用量上限に達したため一旦やめ、Claudeに乗り換えていました。しかし今年に入って再契約し、汎用的な質問についてはまずChatGPTで調べることが多くなりました。
実際の活用方法
リサーチ・分析系
- 文字起こしの分析:YouTubeやポッドキャスト、Nottaの内容から要点抽出、表層と深層の意図分析
- 人物や事柄のDeep Research:まず全体像を把握するための初期調査
- 画像・写真の印象分析:デザインや写真素材の客観的評価
日常業務サポート
- メール校正:送信前の内容確認、過不足のチェック
- 自己分析・相談:考え方やアプローチに関する相談
特徴的なのは、自分に関するデータを蓄積することで個人的な文脈を理解した状態での対話が可能になったことです。最近はキャラクターを設定し、回答内容にあえて偏りを付加して感性豊かな状態で使用しています。
ChatGPTの良さは汎用性の高さと親しみやすさにあります。疑問に思ったことを気軽に投げかけ、まずは全体像を掴むという使い方が自分には合っているようです。
Claude:専門的思考のパートナー
当初はコーディングやプログラミングでのゼロベースからの組み立て、リファクタリングに使用していましたが、プロジェクトナレッジ機能を活用することで、より専門的で継続性のある対話ができるようになりました。
認知スタイルプロファイルによる思考パターンの使い分け
Claudeの最大の活用価値は、思考パターン自体をカスタマイズできることです。現在運用している主なプロファイル:
- 多層的思考キャラクター:自己分析から構築したシステム思考重視
- 感性重視キャラクター:感情と認知の創造的融合
- 戦略コンサル型キャラクター:ビジネス分析に特化
- 技術特化キャラクター:プログラミングやシステム設計に焦点
実際の活用方法
- 文章作成と構造化:ブログ記事の構成や論理展開の整理
- Deep Research結果の深層解析:ChatGPTやGeminiで集めた情報をベースにした専門的分析
- プログラミング設計相談:コード設計や実装方針の検討
- 自己分析・内省:思考プロセスの客観視と改善点の発見
Claudeは私の生成AI活用の軸となっています。思考プロセスが重要でない単純な調査はGeminiやChatGPTで処理し、深く考える必要がある課題はClaudeという使い分けです。
文章やブログ記事は基本的に自分で書いたものをClaudeで整理し、齟齬がないかを確認する用途でも活用しています。
Gemini:大量データ処理の専門家
最近本格的に使い始めたGemini。WorkSpace版は履歴参照ができないため、必要時はClaudeで使用しているプロンプトを最初に読み込ませ、思考の方向性を持たせてから使用しています。
実際の活用方法
- 人物や事柄のDeep Research:大量の情報を同時に処理できる能力を活用
- Google関連のプログラミング対応:GoogleのサービスやAPIに関する調査
- Claudeでの分析結果との差分確認:異なる視点からの検証
- 画像・写真の印象解析:多角的な評価とレビュー
コンテクストが多い状態での処理が可能なため、まずGeminiで情報量の多い資料を揃え、その後Claudeで深層分析するという二段構えのアプローチをよく使います。
Geminiの強みは大量の情報を同時に処理できる能力です。複数の情報源から包括的なリサーチを行い、それをClaudeでより深く分析するという手法は非常に効果的です。
Cursor:開発とテキスト編集の革新
6月から本格導入したCursor。開発専用ツールとして導入しましたが、実際にはコーディングに留まらずテキスト編集全般で威力を発揮することがわかりました。
実際の活用方法
開発・コーディング系
- Webサイト単位のリファクタ・運用作業:既存コードベースを理解した修正
- 新機能実装:コンテキストを保ったコーディング
テキスト編集系
- プロンプトのマークダウンファイル管理:複数ファイルの一括編集
- テキスト編集全般:従来のエディタでは困難だった効率性を実現
特に複数ファイルにまたがる整理や、一貫したルールでの編集作業において、従来のエディタでは難しかった効率性を実現できています。徐々にテキスト編集全般をCursorに移行しつつある状況です。
使い分けの基準と考え方
情報の性質による使い分け
- 探索的・初期調査:ChatGPT
- 専門的・構造化された分析:Claude
- 大量データ・横断的調査:Gemini
- 実装・編集作業:Cursor
思考プロセスの要求度
単純な情報収集であればGeminiやChatGPTで十分ですが、特定の思考フレームワークでの分析が必要な場合はClaudeを使用します。これは認知スタイルプロファイルにより、AIに「どのように考えるか」を指示できるためです。
継続性と文脈の保持
プロジェクトとして継続的に取り組む内容はClaudeのプロジェクト機能を活用し、単発の調査や確認作業は他のツールを使うという使い分けをしています。
実際のワークフロー例
よく使う連携パターン:
- Geminiで大量の情報収集・整理
- Claudeで専門的な分析・深掘り
- ChatGPTで実装方法の確認や最終チェック
この3段階のアプローチにより、幅広く情報を集めつつ、深い分析も可能になり、実装レベルまで落とし込むことができます。
DEF-Aモデル:AI協働型構造化思考フレームワーク
生成AIとの効果的な協働を実現するため、DEF-Aモデルという思考フレームワークを開発し、実際に活用しています。このモデルは、ChatGPTで過去の対話履歴を分析した際に、自分が無意識のうちに体系化していた思考プロセスから抽出したものです。D (Define): 定義・対象化、E (Explore): 探求・再構成、F (Formulate): 統合・出力、A (Act/Apply + Assess/Adjust): 実行・評価の4段階で構成されています。
このモデルの特徴は、単に「何を考えるか」ではなく「どのように考えるか」を明示的にすることで、AIとの対話をより生産的にする点にあります。特にClaudeでの複雑な分析や、複数AIツールを連携させる際に、このフレームワークに沿って思考を整理することで、一貫性のある高品質なアウトプットを得られるようになりました。詳細は DEF-Aモデル:構造化思考フレームワーク をご覧ください。
生成AIとの関係性の変化
当初は「便利なツール」として使っていた生成AIですが、現在は「思考パートナー」のような存在になっています。特に認知スタイルプロファイルを通じて、自分では思いつかない視点や専門性の異なる分野からのアプローチを得られるようになったことで、単なる作業効率化を超えた価値を感じています。
今後は、これらのツールとの対話を通じて得られる洞察を、さらに実際の仕事や創作活動に活かしていきたいと考えています。また、新しいツールが登場した際も、その特性を理解し、既存のワークフローに組み込んでいく柔軟性を保ちたいと思います。
おわりに
生成AIは、使い方次第で単なる情報処理ツールにも、創造的なパートナーにもなり得る存在です。それぞれのツールの特性を理解し、自分の思考プロセスや作業スタイルに合わせて活用することで、これまでにない創造性や効率性を実現できるのではないでしょうか。
それぞれの各ツールを単独で使うのではなく、それぞれの強みを組み合わせた統合的なアプローチです。この使い分けによって、より深く、より広く、より効率的に思考し、創造することが可能になったと実感しています。