Cursorを日常的に使う:私の使い方(記事・文書作成編)

目次

はじめに

VSCodeからCursorに切り替えて数ヶ月。当初は「便利なコード補完ツール」程度の認識だったが、使い込むうちに自分なりの使い方が定着して、以前はUlyssesメインで作成していた記事や文章をCursorメインで使うようになりました。

単なるIDE、コーディングツールというところから、思考のアウトプットをディレクトリ・プロジェクト単位で蓄積しつつ、それを活用できるAIエージェントツールとして使っています。

その自分の使い方を振り返り、現状の使い方をまとめてみました。

この記事の作成フロー

この記事自体も、Cursorを使って作しており、その過程は下記のような工程ですすめました。

  1. チャット履歴の分析依頼:「私のCursor使用履歴を分析して、特徴的な使い方を抽出してください」と依頼。複数のチャット履歴・履歴をまとめたファイルを参照させ、その結果を原稿ファイルとして作成。
  2. 使い方の可視化:Cursorが指摘した特徴(メタ認知的アプローチ、複数ファイル参照、反復的改善など)を確認。自分の意図や表現方法と照らし合わせて、これをベースに加筆するのか、書き換えるかを判断。
  3. 構成案の作成:抽出された特徴を整理。「nothemeで記事にするので、文体やトーンをルールに沿って揃えた上で記事構成を作成してください」と依頼。
  4. 初稿の生成:構成に沿って記事の初稿を作成。この段階では説明やガイドライン、読者が同じようなフローで作成できるかのようなチェックリストが出来上がる、「Cursorの使い方のベストプラクティス集」といった状態のAI生成らしい初稿となったので、自分の書く普段の記事と合うように内容を次で調整することに。
  5. 文体の調整:「はじめに」の部分を自分で書き直し、その文体と粒度をベースに全体を書き換え依頼。「この文体・粒度をベースにそれ以降の構成や内容を変更してみてください」と指示。
  6. 段階的な改善:生成された文章を確認しながら、さらに自分で加筆・修正。具体的な体験や実例を追加。
  7. メタ情報の追加:記事作成プロセス自体を記事に組み込む。この「記事の作成フロー」セクションもその一環。

このフロー自体を載せることで、単なるCursorの使い方から、実際に記事作成がどのような流れでできたのかその一端が垣間見えると思います。

使い方自体を改善対象に、できるものはルール化する

時折、Cursorに「私のこれまでの履歴を参照して、プロンプトの粒度はどうですか?」と聞くことで、チャット履歴を分析させ、自分の使い方の癖を抽出してもらう。そうすることで自分がどのように使っているのか、そしてそれがCursorにどう見えているかを可視化でき、その上で、自分の意図通り使えているかを確認する。

そういったことを続けていくことで、最初は単純な関数処理の簡略化や文章構成、文章全体のトーンの均一化といった依頼しかしていなかったところから、今は複数ファイルを参照させた上で、トーンの抽出と適用や、目的(ゴール)を完遂するために、あえて段階的に改善を重ねるプロセスを経て、目的の対応を完結させたりするようになりました。

また、文章の文体などについてもClaudeなどとの会話や分析なども織り交ぜつつ、経験をベースにしている場合、内省をベースにしている場合など内容によって文体やトーンをある程度変化がつけられるように、文章の内容ごとのルールをCursorを使って作成したりと、使い方を客観視することで、無意識の癖や改善点をルールとしてアウトプットすることで再現性を高くできるようにしています。

成功パターンを記録する

うまくいった作業プロセス、もしくは、途中試行錯誤して無事完成まで辿り着いたケースを、その場限りにせず、Cursorに「ここまでのやり取りで行った内容をルールにしたいので、既存のルールを更新してください」といった依頼をしてルール化、テンプレート化するようにしています。

/rulesには記事作成ルール、編集ガイドライン、品質チェックリストを置いた。/templatesにはプロジェクト情報テンプレート、記事フォーマット、プロンプト集を配置するよう、これもルールにすることで、自分自身は特に意識して特定のディレクトリの中にファイルを作成するといったことを考えずに、チャットを介して、次回以降すぐに参照・作成できるようになります。

個人の暗黙知をルールを作成することで明示され、再利用可能な形に変えることができます。

一度で目的の完遂を目指さない

最初の提案で終わらせようとせず、段階を踏むことで内容の改善や変容を重ねられるようにしてルール作成なども行っています。

「○○と□□の2記事をベースに記事作成ルールを作成してください」と依頼。作成されたものを確認し、「このルールをペルソナ設定と統合してください」と続け、統合版を確認し、次は「ファイル名を最適化し、重複内容などを整理してください」とさらに指示行い、フィードバックループを3-5回回すことで、一度でできない、複数の工程を経て、よりルールの精度や内容を充実させた状態に仕上げていくように進めるようにしています。

そうすることで、最初の提案より、より洗練されたものを目指すことができます。

方向性を示して、詳細は任せる

文章ではあまりうまくいかないですが、コーディング、プログラミングでは、関数による処理は一定の規則性の上で成り立つので、「リファクターが可能なファイルを検索して、修正を行ってください」などと指示することで、既にインプットとアウトプットが完成されていれば、あとは、どのファイルをどう直すかは、Cursorに任せることができます。

また、「このディレクトリ構成を、複数案件の同時進行に対応できるよう最適化してください」といった依頼することで、単一の重複するものが増えると使いづらくなる環境をCursorによって整理された状態に改善することもできます。

とはいえ、自分の欲しかったアウトプットと異なる場合はあるので、その場合は、プロセスをしっかり観察して、おかしいと思ったところを指摘して修正を行う。もしくは、プロセス自体がおかしい場合は、次はおおまかにプロセスを提示した上で最初からCursorにもう一度やってもらうというように臨機応変に対応する。このように対処法を複数もつことで場面に応じて効率的な協働を生むことができるようになります。

個別ではなく全体を設計する

AIエージェントを使ったコーディングや文章作成では、ファイル単位で注力してしまいがちですが、Cursorでは、プロジェクト・ディレクトリ全体の構造を意識して対応できるため、ディレクトリ構造の一貫性、ファイル間の参照関係、命名規則の統一などをルールの設定などを通じて行うことができるようになります。

cursor-defa-writing/ ├── projects/ # 案件管理 │ ├── [案件ID]/ # 各案件 │ │ ├── planning/ # 企画・要件定義 │ │ ├── research/ # 調査・素材収集 │ │ ├── structure/ # 構成設計 │ │ ├── writing/ # 執筆 │ │ └── review/ # 推敲・品質チェック ├── rules/ # ルール・ガイドライン ├── templates/ # テンプレート集 └── assets/ # 共通素材
...

新しい案件を始める際も、既存のルールとテンプレートを作成しておく、もしくは既存のプロジェクトを参照しつつ、Cursorに作成を依頼することでがすぐに活用できる状態を構築できます。

思考を構造に落とし込む

私はChatGPTとのやり取りの中で暗黙知で存在したプロセスモデル、DEF-A(Define-Explore-Formulate-Act-Assess)という思考フレームワークを使っています。それを、Cursorはルールにおいて、ディレクトリ構造にも反映させてくれました。

Define(定義)は/planningで企画・要件定義。Explore(探求)は/researchで調査・素材収集。Formulate(統合)は/structureで構成設計。Act(実行)は/writingで執筆。Assess(評価)は/reviewで推敲・品質チェック。というように、段階ごとにできたファイルや資料を格納することで意味性のある参照やファイル管理ができるようになりました。

今まで頭の中だけで行っていた抽象的な思考法を、具体的な作業フローと実ファイル、ディレクトリ構造といった可視化された状態に変わることでより、明示的にも意識的にも思考構造を扱いやすくなります。

使い方の振り返り

Cursorに自分の使い方を分析してもらい、そこで一般的な使い方との大きな違いを書くと、

  • 操作意識の転換(ツール → パートナー)
    Cursorをどう使えば早く書けるかというツールから、Cursorとやりとりをする中でどのようにコードや文章を組み立て、作り上げていくかという思考へと視座の入れ替えを行う。
  • メタ化の習慣(出力 → フィードバック)
    AIを「生成の装置」ではなく、AIの出力と自分の考えていたものとの差分から「自分の思考プロセス」を顕在化し、メタ認知を促進させる。
  • 構造としての信頼(会話 → システム)
    AIを“考えを伝える相手”ではなく、“自分の記憶・判断・再帰”を補完する構造体として設計する視点。

という3つの大きな特徴がありました。

自分では当たり前の使い方だと思っていても、客観的に分析してもらうことで、無意識に行っていたパターンやアプローチが明確になります。また、他のツールやサービスとの使い分けや、Cursorならではの強みを活かせているかという観点でも、定期的にCursorに使い方を振り返ってもらうことで、より効率的な使い方へと改善していくことができるようになりました。

おわりに

Cursorの使い方は人それぞれで、コード補完ツールとして使う、思考を整理するツールとして使う、プロジェクト管理として使うなどそれぞれの使い方があります。

私の場合は、CursorをIDEとしてコーディングなどに使う用途とそれまでClaudeを使って文章校正などを行なっていた内容をCursor上に移設、ルールなどを活用して現在の形になっていきました。試行錯誤を繰り返す中で、自分の作業スタイルやニーズに合わせて、徐々にCursorと一緒に作業や考察などを進めていく、ChatGPTやClauderなどと同じような協働の形が出来上がっていきました。

この記事で紹介した使い方は、あくまで私の一例です。読んでくださった方が、AI生成ツールから、協働で作業が行える自分の環境を見つけていく際のヒントになれば幸いです。

この記事は、実際のCursor使用履歴を振り返り、Cursorに分析してもらった内容を基に作成しています。

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