
6月からCursorで始めたVibe coding。最初は基本的な活用から始まり、1ヶ月ほどで認知スタイルプロファイルの統合、DEF-Aモデルの技術実装、そして現在は文章作成からWebサービス開発まで幅広い分野で活用できるシステムを構築しました。
目次
Cursorで最近やっていること
従来はClaude内でプロジェクトを作成し、ペルソナ・キャラクターと認知スタイルプロファイルを組み込んだ状態で文章作成を行っていました。現在は、そのプロファイルをCursorのルールに組み込み、DEF-Aモデルを統合した記事作成用プロジェクトを構築しています。
大元のCursorルールにはDEF-Aモデルをベースに、媒体ごとにディレクトリを切り、文章トーンや媒体の概要を追加。1つのプロジェクト内で複数の媒体を統合して使える状態を構築しています。
実際のVibe coding活用の軌跡
実際にCursorを使ってVibe codingを行った際の体験を、チャット履歴を振り返りながらまとめてみました。
DEF-Aモデル統合版・シンプル版の作成
統合環境の基盤設計
最初に取り組んだのは、Webサービス全般のフロントエンド・バックエンド開発向けのDEF-Aモデル統合ルールセットの設計でした。思考プロセス自体を技術システムとして実装し、AIとの協働をより効果的にするためのルールセットを作りたいという明確な意図がありました。
実際の作業履歴からルールを起こすという、動画の文字起こしのような流れでルールを作成していきました。フロントエンド周りで作業着手〜完了まで一通り流れを追えるルールを作った後、Webサービス全般で使えるルールに拡張。コンテクスト容量が大きくなる可能性があったので、軽量なものも作り、DEF-Aモデル統合版とシンプル版の2つのルールセットを設計しました。
結果として、総ファイル数15個・約4,400行のルールファイル群と、段階的導入、多ジャンル対応、倫理的配慮システムを含む包括的なフレームワークができました。このシステムは、Webサービス開発での効率化を実現する手法として、GitHubで公開しています。
認知スタイルの自動切り替えシステム
DEF-Aモデルの統合前に、うまくいった取り組みの一つが、認知スタイルプロファイルの統合でした。システム思考型(技術分析・論理的アプローチ)と感情共鳴型(表現・共感的コミュニケーション)の2つのプロファイルを、文脈に応じて自動的に切り替えるシステムを構築しました。
Cursorに「ルール構成に違和感のないように取り込んでほしい」と依頼し、単一プロファイル原則、判定マトリックス、文脈優先原則を含む自動選択システムを実装しました。
最初は一方に偏った対応が多かったので、何度も実際に作成→結果を確認・調整するなどして、技術的問題解決にはシステム思考型、コンテンツ制作には感情共鳴型という、文脈に応じた自動プロファイル選択システムができました。
倫理的制約の重要性を実感
Zenn向けの記事執筆では、倫理的制約の強化に取り組みました。「実践していないのに実践したかのような内容は書かない」「3割改善、30%削減といった根拠のない数値を使わない」という明確な制約を設けました。
Cursorに「ルールの変更をお願いします。内容をZennに最適化できそうなところはして欲しい」と依頼し、誇張表現や仮定の事実を排除した、実践性重視のルール設計を行いました。
結果として、倫理的制約の明確化、実践性重視のルール設計、事実と推測の明確な区別を含むシステムができました。
理論の技術実装
notheme.meに掲載している記事の続編として、SECIモデルによる暗黙知の自動ルール化について、記事を作成しました。「SECIモデルによる暗黙知のルール化」「認知戦・情報工作への対応」に焦点を当てた実践的な内容を求めました。
これは実際に、Vibe Codingをしている際、一度Cursorが作成した状態から、さらに自分で意図した状態に変更を行い、それをCursorに解読させることで、Cursorが暗黙知をユーザーが利用して実装したと検知できたため、それをルールとして組み込む際、野中郁次郎氏のSECIモデルの技術実装を提案してくれたので、それを盛り込んだ記事を作成しました。
「認知戦・情報工作への対応」については、DEF-Aプロセスモデルを実装したCursor用のルールをGithub上に公開した後、2025年参議院選などの動きなどを見て、そのルールがbot作成やスパムの作成など、一般倫理に反する目的で使用された際、そしてそれを結果的にできうる状態を検知した際に、忠告や停止などを行えるような制御をルールとして追加する必要があると判断して、既存の国際基準などをベースに作成しました。
結果として、SECIモデルの技術実装詳細、自動ルール化テンプレート、倫理システムの実装例を含む実践的な技術記事ができました。
文章作成での活用パターン
ライティング特化型への展開
Webサービス全般のフロントエンド・バックエンド開発向けのDEF-Aモデル統合版・シンプル版を基盤として、現在のプロジェクトでライティング特化型のルールセットを展開しています。ブログ記事や商品紹介記事、小説など、あらゆる文章作成に対応できるシステムを構築したいという明確な意図があります。
分野別特化ルールの作成
ライティング特化型の基盤を活用して、Geek Styleブログ専用の記事作成ルールを設計しました。3Dプリンターの記事を例として、商品レビュー記事の作成プロセスをルール化したいという具体的な目的がありました。
Cursorに「ギーク・スタイルブログの記事をマークダウン形式で作成します。その際のルールを作成したい」と依頼し、Amazon APIで取得した商品データを記事として扱えるように編集するプロセスを体系化しました。
結果として、ターゲット分析、SEO要件、記事構成テンプレートを含む、ライフスタイル志向で専門性と親しみやすさを両立したルールセットができました。
文章の細かい調整もVibe codingで
文章のトーン調整もVibe codingで行っています。「内容を読み込んで、〜します。となっているところが多い印象なので、適切に〜しました。とできるところはそのようなトーンで文章を変更できますか?」という依頼で、現在形から過去形への変更を実施しました。
ここでの目的は、実装済みの内容を適切に表現することでした。Cursorに依頼すると、完了した事実は過去形、継続中の動作は現在形という使い分けを自動的に行い、文脈に応じた適切な時制の選択を実現してくれました。
Vibe coding活用の全体像
段階的発展の実態
6月は、基本的なVibe coding環境の構築に取り組みました。試行錯誤による学習と改善を重ね、初期的なルールセットを作成したことで、Vibe codingの基本的な仕組みを理解できました。
7月前半は、包括的なルールシステムの設計に取り組みました。思考プロセスのモデル化と体系化を行い、DEF-Aモデル統合版とシンプル版を完成させることで、より体系的なアプローチが可能になりました。
7月後半〜8月は、分野別特化と倫理的制約の強化に取り組みました。文章作成とWebサービス開発の特化ルールを作成し、実践性重視と倫理的配慮の両立を実現することで、実際の業務で活用できるレベルまで発展させることができました。
活用パターンの本質
企画・設計系では、全体像の把握と構造化を重視しました。プロジェクト構成設計、ルール設計、アーキテクチャ設計を通じて、システム全体の最適化を図ることで、効率的な開発プロセスを構築できました。
実装・開発系では、技術的課題の迅速解決と品質保証に取り組みました。エラー解決、パフォーマンス最適化、継続的な改善を通じて、高品質なWebサービス開発を実現することで、安定したシステムを構築できました。
文章・コンテンツ系では、ターゲットに応じたコンテンツ制作を重視しました。記事作成、トーン調整、倫理的配慮を通じて、読者に価値を提供するコンテンツを作成することで、より効果的な情報発信が可能になりました。
統合・最適化系では、複数システムの統合と継続的改善に取り組みました。ルール統合、プロファイル切り替え、フィードバックに基づく進化を通じて、システム全体の最適化を図ることで、長期的な成長を実現できました。
成功の本質
段階的アプローチが成功の鍵でした。小さく始めて徐々に拡張することで、リスクを最小化しながら効果的なシステムを構築できました。
文脈適応も重要でした。用途に応じたルールのカスタマイズにより、それぞれの分野で最適なパフォーマンスを実現することで、多様なニーズに対応できるシステムを構築できました。
倫理的制約の重視も成功要因でした。実践性と信頼性を重視することで、信頼性の高いコンテンツとシステムを構築できました。
継続的改善の仕組みも重要でした。フィードバックに基づく進化により、システムを常に最適な状態に保つことで、長期的な価値を創造できました。
学習から得た知見
明確な意図を持つことの重要性を実感しました。何をしたいかを事前に明確化することで、Vibe codingの効果を最大化できました。
適切な粒度の設定も重要でした。ルールの詳細度を用途に応じて調整することで、使いやすく効果的なシステムを構築できました。
実践的検証の重要性も学びました。実際の使用で効果を確認することで、理論と実践のギャップを埋めることができました。
柔軟な調整の必要性も実感しました。状況に応じたルールの修正により、常に最適な状態を維持することで、継続的な改善を実現できました。
まとめ
Vibe codingは、単なるツール活用ではなく、自分の思考プロセスをモデル化し、それを技術的に実装する取り組みでした。文章作成とフロントエンド開発という異なる分野で、それぞれに特化したルールを開発しながら、共通の基盤となる思考フレームワーク(DEF-Aモデル、SECIモデル)を活用することで、効率的で質の高い成果物を生み出すことができました。
特に重要なのは、倫理的制約を重視し、実践していない内容は書かない、根拠のない数値は使わないという原則を貫いたことです。これにより、信頼性の高いコンテンツとシステムを構築できました。
今後も引き続き、この経験を他者と共有し、より多くの人々がVibe codingを活用できるよう進めていきたいと考えています。
